実家の掃除係

日曜は朝からひたすら実家の掃除をした。年末の帰省時に一旦綺麗にしていたので、台所の油汚れもなく、季節的にカビなどもなく、助かった。

父は入院前1週間は、無気力でなにも出来なかったとのことで、家中すごかった。私は身内だし全然平気だったけども、想像を絶するほどの皮だらけ。本当に帰ってよかった。

父はそれでも仕事に行っていたというからあきれる。どうやらゴム手袋して作業していたみたい。不自然に家にたくさんあった。入院も自力で行こうとしていたけども、「そっか、こういうときこそ…」と入院前日に弟にやっと相談して、弟がびっくりして会社を休んで病院に連れて行ったらしい。

弟は入院時に全面的に助けてくれたし、妹は仕事後にすぐにかけつけて、実家の1週間分の洗濯物や食器の洗い物を片付けてくれたし、私にできることって掃除ぐらい。なかなかまとまった時間がないと(子どもがいる妹や弟には)難しいと思うから、帰ってよかった。実家掃除に自分の価値をみる。

 

気になるのは、入院数日前の話。父が、薬を塗ろうとパンツ一丁でファンヒーターをつけていたら、急に気分が悪くなって、反射的に「やばい!」とファンヒーターの電源を切ったらしいけど、その後おそらく気を失っていたそうだ。

数秒かもしれないし1分かも、もしかしたらもう少し長いかも、全く分からないらしいが、ふと「なんか寒いな…」と目が覚めて、我に返ったら、大きな鏡がある玄関でパンツ一丁のまま寝てたんだって。

実家はこの季節、窓が凍ったりするので、そのまま倒れていたら危ないところだった。目が覚めてよかった。念のため病院では、乾癬以外の不調はないか検査をしているそうだ。

掃除のとき、実家の鏡の一部に油っぽい薬がついていて、ああ、ここで倒れたのかな?と思ったけども、驚いたのは、玄関横にスリッパを並べておいていた木の踏み台が、何故か壁にめりこんだようになっていた。壁にヒビができているような感じ。

お正月はこのヒビ割れに気付かなかったけど、前からあったっけ?どうやったらこうなるんだろ?と思って後で父に聞いてみたら、「……倒れてたん、そこやで」と。何故にそんなに溜めて言う?倒れたときに、木の踏み台にぶつかったのかもしれないとのことだった。どんな倒れ方したんだ。こわいわ。

でも、父は続けて「こんなとき、科捜研ならすぐに分かるやろうに。」と言うから、私の頭の中には沢口靖子しか思い浮かばず、しかも何が分かるんだかよく分からんけど、まあいいや。

 

何はともあれ、インフルエンザも山場は越えて、乾癬も入院時より20倍ぐらい(弟談)よくなったらしいから、順調にいけば1ヶ月ぐらい(治療薬のサイクルがそのぐらいかかるみたい)で皮も復活して退院できるだろう、と信じている。

こんなとき、母がいたら…と思うけども、あまり考えると悲しくなるので、考えない。悲しいぐらいに、日々、母のことを考えないようにしている。もう亡くなって8年以上経っているのに、未だに実家では遺影を直視できない。笑顔がまぶしすぎて直視できない。